
この記事は伺か Advent Calendar 2016の14日目の記事です。
伺かという媒体でゴーストを作る場合、メインとなるのはランダムトークだと思います。
ベースウェアがオンラインアップデートの機能を備えるため、定期的にランダムトークを追加するのが主流となっています。
完成品として発表され、バグフィックス以外は行わないという形式を取るゴーストもいますが、現状では少数派でしょう。
しかし、ランダムトークの追加は簡単に出来ないものです。
その理由はネタ切れという一点に尽きます。
過去にもランダムトークの追加方法については様々な方が論じてきました。
この記事では一歩踏み込み、キャラクター設定の追加を視野に入れて記述します。
ここに書いてある内容は筆者のあーるでぃーの見解に過ぎません。
人によっては全く納得できない場合もあるでしょう。その場合は別の手段を考えた方が良いです。
伺かという媒体でゴーストを作る場合、メインとなるのはランダムトークだと思います。
ベースウェアがオンラインアップデートの機能を備えるため、定期的にランダムトークを追加するのが主流となっています。
完成品として発表され、バグフィックス以外は行わないという形式を取るゴーストもいますが、現状では少数派でしょう。
しかし、ランダムトークの追加は簡単に出来ないものです。
その理由はネタ切れという一点に尽きます。
過去にもランダムトークの追加方法については様々な方が論じてきました。
この記事では一歩踏み込み、キャラクター設定の追加を視野に入れて記述します。
ここに書いてある内容は筆者のあーるでぃーの見解に過ぎません。
人によっては全く納得できない場合もあるでしょう。その場合は別の手段を考えた方が良いです。
そもそも、ネタ切れであるということは、それまでの設定で語るべきことは語り尽くしたと捉えることも出来ます。
そう考えると、トークを追加するためには新たにキャラクターの内面まで掘り下げる必要が出てきます。
日常を取り出す
多くのゴーストはそれぞれの世界で生きています。
そして生きている以上は日常生活を送っているはずです。
日用品はどうしているのか、買い物はどこでしているのか、など取り出せる話題はいくつかあります。
「買い物」に焦点を当ててみることにしましょう。
現実でも、いつも利用する店というのは決まってくると思います。
食料品を購入するスーパーは、最寄り店または最寄り駅の近隣店をよく使うという方がほとんどです。
その店には特色や不満などもあることでしょう。
例えば、青空市場をやる、変わった店員がいるなどが特色で、品揃えがいまいち、店が狭いなどが不満です。
これをゴーストにも適用し「最寄りの食料品店」の設定を新たに作り、その話をさせることが出来ます。
ここでは王道ファンタジーの世界観で、設定を作ってみます。
・個人経営の店で、店主が早朝に市場で青果を仕入れて売っているので、品揃えが安定しない
・痛み始めた野菜は買い物のおまけにつけてくれる
・売れていない乾物がもう何ヶ月も置いてある
・店主が豪快な禿頭の筋肉質で、目に傷跡がある
設定は保存して覚えておくと後々活用しやすくなります。
また、この設定自体をそのままランダムトークに出さないでください。それ以上トークが増やせなくなります。
例えば「品揃えが安定しない」の部分は、利用者としての意見を言わせるといくつかのトークになります。
1. 目当ての商品が売っていなかった
風邪っぽいので解熱に効くハーブを買いに行ったが、今日に限ってなかったというトークは、生活感を出せるのでキャラクターを身近に感じられると思います。
2. 売っていなかったので、別のもの代用したが結果的に失敗した
ランプの油が売ってなかったので、食用油を買って使ったら暗くてしょうがなかったというトークは、生活感を出しつつ笑い話として見れるトークになるのでは無いでしょうか。
3. 割り引きで得をした
店として本当は少数買い付けたかったが、まとめ買いをせざるを得ずに割り引きになったという店側の失敗状況を作るのも面白いかもしれません。
店先に野菜が山のように積んであって、普段の半額で購入できたというトークが出来るでしょう。
ただし、キャラクターに少しがめついイメージがつくかもしれません。
現実では、ネット上でときどき話題になる「店員が発注数を1桁間違えたため割り引き」という話が近いでしょうか。
これらの方法は、要は現実での雑談と同じです。
店側の事情など知る由もありませんが、今日に限ってなかったという経験はあるでしょうし、それを誰かに愚痴ったりすることも往々にしてあります。
後々に新たなトークの種にもなりますので、設定そのものを出さず、設定に触れる程度の内容でトークを作っていきます。
同様に他の設定も、利用者の目線でトークにしていくと良いでしょう。
愛用品の話をする
ファンタジーの世界であれば自分の使う武具、現実の世界でも時計や財布など、常に身につける品は誰しも1つくらいはあるでしょう。
それらの入手に至るまでの話や、愛用の理由などはトークに落とし込みやすいです。
できれば特徴的なものだと良いと思います。
愛用の枕であるなど、多少突飛な方がインパクトはあるかもしれません。
王道ファンタジーの世界において、魔法使いのキャラクターとして設定を作ってみます。
・常に指輪をしており、これがないと魔法が使えない
・実は昔に師事していた師匠の形見の品である
・無くさないように寝るときも水浴びするときもつけたまま
これらの設定に関しても、保存した上で、直接ランダムトークで語らせないようにします。
「指輪がないと魔法が使えない」という設定からいくつかトークを考えてみます。
1. 奪われないように注意している
その指輪は右手につけていて、知らない相手と対峙したときは腕を組んだり両手を合わせたりして隠しているなど。
相方からはあからさますぎるとツッコミをいれさせて凹んだりすると綺麗にオチがつくでしょうか。
2. 傷つかないように気を使っている
ずっと身につけているけれど傷がつくのも嫌なので、日常的に指輪をかばうような動作をしている。
これも爪を気にするお洒落さんかとツッコミをいれると綺麗に終わらせられると思います。
食事の席で指の怪我と勘違いされたなどとトークを増やすことも出来そうです。
3. 実はサイズがあってない
古代の指輪なんてマジックアイテムだとすれば、オーダーメイドでないのでぶかぶかだったりするかもしれません。
そのために常に握りこぶしにして落とさないようにしていて、喧嘩っ早い印象を与えてしまうということもありえそうです。
この場合、キャラクターが気弱だったりするとギャップが大きくて面白いかもしれませんね。
現代の日本ではそこまで愛用品を持つ人は多くなく、ほとんどメガネと時計、婚約指輪くらいでしょうか。
自分の感覚をもとにしないと書くのが難しいので、時計やスマホなど、常に身につけているものに近い形状の愛用品をもたせるとトークが書きやすいと思います。
作者が知らないことは書けません。少しアレンジして作者の感覚でトークが作れるようにしておくと後々のランダムトーク追加時にも役立ちます。
スマホを落として画面が割れた経験があるとすれば、かなり膨らませやすいでしょう。
我慢して使った、修理の間手持ち無沙汰だった、予想外の修理代金を取られたなどはゴーストのトークにも転用できる部分です。
ゴーストとして登場しない第三者の話をする
ゴースト上のトークでは、ユーザと登場人物で完結させようとすることが多いと思います。
しかし思い出して欲しいのですが、実際の雑談では大抵、外部の情報のやりとりと相槌が主です。
例えば、その場にいない誰かの話が当てはまるでしょう。
共有の友人から始まり、芸能人やアニメマンガゲームのキャラまで、そこにいないものについて話すことは非常に多いと思います。
また、話題や場所を共有するための話なども多いでしょう。
テレビ番組の話、新しく出来た店の話、この間入った店の話などはよく出る話題だと思います。
そこで、ゴースト内でもそのような架空の第三者を用意します。
場所についてはすでに食料品店を登場させる話で述べましたので、人を登場させることとします。
この時、なるべく奇妙な人物を作ると話としても広げやすくなります。
食料品店の話で述べた店主はこれに合致するでしょう。
「店主が豪快な禿頭の筋肉質で、目に傷跡がある」です。
この風貌は食料品店の経営者としては違和感があります。
このようにわざと違和感のあるキャラクターを配置し、そこに関して伝聞形式で話すようにすると、とりとめない雑談の感じを出しやすくなります。
上記のキャラクターを少し掘り下げて設定を作ってみましょう。
世界は同様に王道ファンタジーとします。
・過去には戦士であったが、目に傷を追って隻眼となり引退した
・性格が陽気で、酒場などでよく絡み酒をしていた
・退職後、溜めていた金で店を開いた
ここからいくつかトークが出来るでしょう。
設定を保存し、設定自体を喋らせないのはこの方法でも変わりません。
1. とりあえず怖がる
あの店は店主が怖いという振りから、人を殺しててもおかしくないのであの店の肉は人肉だ、と冗談を飛ばすことも出来るでしょう。ツッコミは必須です。
2. なぜかよくおまけしてくれる
過去のことから体が資本であると信じており、男にはとにかくたくさん食べるように勧めてくるなど。食べきれずに困っている、などがオチになるでしょうか。
3. 声が大きい
ちょっとした雑談も大きな声でするので、恥ずかしくて困るなどのトークが出来るでしょう。あるいは、うっかり他の人の会話から、プライベートな内容を聞いてしまったという話も考えられます。
利点として、ゴースト自体も「聞いた話、あるいは自分が体験した話」として喋るため、第三者に関する複数のトーク間で矛盾が出ても、噂が間違っていたんだろうということで無理矢理解消出来る点が挙げられます。
その場にいない第三者の噂や冗談を飛ばす雑談は、あくまでノリや勢いでされるものなので、真偽が重視されることはありません。
これまでの設定の複合
これまでに述べてきた、食料品店の設定とその店主の設定、指輪の設定を絡めることでさらにランダムトークを作ることが出来ます。
1. 指輪のサイズがあっていないことを大声で喋られた
お金のやりとりなどで、手を見られてサイズがあっていないことを指摘されるかもしれません。
説明がめんどくさくなるしあまり知られたくないのでごまかしたけど、誰か聞いていなかっただろうか、なんて話に出来そうです。
2. 婚約指輪と勘違いされた
大声で新婚さんかなどと言われれば恥ずかしい思いをすることになるでしょう。
そんな人はいないと否定させた上で、ユーザを見て少し慌てるなどが良いでしょうか。
このように、ユーザとゴーストで完結せず、外側の世界に設定を作ることで、無数のトークを生み出せるようになります。
また生活臭を感じさせることにより、ユーザに対して生きているキャラクターという印象を強く与えることも出来るでしょう。
ランダムトークの文章量
トークを書いてると、長くなりすぎるということも起こりえます。
大方その場合は、説明のしすぎであったり、ネタの詰め込みすぎであったりします。
後者の場合、2つに分割することが出来るでしょう。
例として、現代の世界を舞台として、スーパーを登場させてトークにしたものをあげてみます。
*トークの例
:あそこのスーパー、24時間営業なのはいいけどいまいちだよね。
:何がいまいちなんや。
:弁当や惣菜が少ないからすぐ飽きるし、コンビニ弁当の方がマシってぐらい美味しくない。
:ああ、たまにあるな、やたらと弁当のまずいスーパー。
:帰りに買いたいものがあると仕方なく弁当買うけどさ、スーパーの袋下げてコンビニ行きたくないし。
:自炊したらええやろ。
:私に料理が出来るとでも思う!?
:なんでそこで逆ギレするんや……。
4往復なのでちょっと長いと感じます。さくら側のセリフも長く、さくら側の最初と最後のセリフを見ると全く別の話題になっています。
これはこれで、雑談らしい内容かもしれません。
筆者としては、ゴーストのランダムトークとして見ると、ネタを詰めすぎで長いと感じます。
いくつかに分けて、個々のトークにした方が良いでしょう。
・24時間だけど惣菜の品揃えが悪い
不満を述べたあとで、24時間の店にそこまで求めるなと突っ込むと1トークとしては綺麗でしょうか。
・スーパーの袋下げてコンビニ行きたくない
あるあるネタとして最後は共感の相槌を打たせればいいと思います。
・自炊が出来ないけど、スーパーの弁当はまずい
これも不満を述べさせたあとで、そこまで言うなら自炊始めろとツッコミを入れる形が良いでしょうか。
ランダムトークに何を求めるかは人によりますが、小気味よい日常的な話は概ね好意的に捉えられる傾向にあると思います。
反面、長いトークはマイナスの印象になりやすいと感じます。
おそらくは、作業中であったりする場合、しっかり文脈を追って読む必要のある長いものは敬遠されがちなのかもしれません。
分割が難しい場合は、次のトーク(チェイントーク)として2つにするのも手でしょう。
里々にはShioriの機能として、YAYAと華和梨にはミドルウェアとしてチェイントークの機能が組み込まれています。
ただし、チェイントークを使う際には注意が必要です。
チェイントークは前のトークを前提としたランダムトークです。
したがって、前のトークを見ていなかった場合、意味が分からないということになりがちです。
ゴーストを作業のお供としてデザインしている場合、トークを見落とす可能性も高く、チェイントークは相性が悪いと言えるかもしれません。
また、「1トークの長さの上限」は自分の中である程度決めておくとスムーズです。
指標の例としては、コンビゴーストなら「3往復以下」など、ソロゴーストなら「5行以下」など。
自身で設定した指標を超える場合、綺麗にまとまったトークでないなら分割を考えた方が良いと思います。
(余談)ゴーストを使ってもらいたい場合
更新の頻度は目に留まる機会の頻度に直結します。
ゴーストキャプターさくらは、自分のゴーストを登録することで更新状況を表示してくれる有志によるサービスで、キャラクターを探す際の指標となることも多いです。
また、更新頻度が高いということで、それだけでも活発な更新がされているということであり、ユーザからの評価は高くなります。
継続できるラインを自分で見極めて、「1週間に1度、3つトークを書いて更新する」などのノルマを自分に化すなど、更新作業をタスク化すると良いと思います。
使ってもらうことは考えておらず、自分の作りたいものを作っているという場合は、ペースについて気にする必要はないでしょう。
人気の傾向に近づける、というのも1つの手です。
例えば、イラストであれば男性向けの性的なイラストは注目を集めやすいといえるでしょう。
もちろん嫌いである、苦手であるという方もいますが、全体的に見れば見てもらえる率はとても高くなります。
ゴーストにおいて、それは「ユーザへのデレ」です。
ユーザに対する恋愛感情や好意を発露したランダムトークを持つゴーストが人気を得やすい面があります。
スパイスとして、デレるトークを入れておくと、おおよそ好意的な評価を得ることができます。
里々であれば、トークの開始である「*」に「*【タブ】(累計時)>=5」などと条件をつけたトークを仕込むと「長時間付き合うとたまにデレる」という状況を作り出すことが出来るでしょう。
デレるトークはキャラクターの性格や状況にもよるため例を挙げるのは難しいですが、「いつも付き合ってくれるお礼を言う」「頼りにしていることを告げる」などを、赤面サーフェスを使い、「、」や「……」を多用してどもりながらさせると良いです。
これに関しては、恋人の有無を聞かれて困った、などの話をさせた上で、ユーザに対して露骨にうろたえるなどが作りやすいです。
トークを増やすとなると、単語のお題をもらって書くなども有効ですが、閉じた世界になっている場合は外側に世界を広げることも重要です。
ゴーストの日常の描写範囲を広げることで、単体の設定のみならず、設定を複合させてトークを書くことも出来るため、ネタ切れになりにくくなります。
それでもネタに困った場合、さらに設定を追加していくのも良いでしょう。
近所に住む人や交通手段などは広げやすい話題です。
急に設定を増やすのに違和感があるのなら、ついこの間引っ越してきたなどとすれば、うまくなじませられるでしょう。
ゴーストは基本的に時間経過による変化を加味しない(サザエさん時空)ので、新参は何年経とうと新参として扱っても問題ありません。
そう考えると、トークを追加するためには新たにキャラクターの内面まで掘り下げる必要が出てきます。
日常を取り出す
多くのゴーストはそれぞれの世界で生きています。
そして生きている以上は日常生活を送っているはずです。
日用品はどうしているのか、買い物はどこでしているのか、など取り出せる話題はいくつかあります。
「買い物」に焦点を当ててみることにしましょう。
現実でも、いつも利用する店というのは決まってくると思います。
食料品を購入するスーパーは、最寄り店または最寄り駅の近隣店をよく使うという方がほとんどです。
その店には特色や不満などもあることでしょう。
例えば、青空市場をやる、変わった店員がいるなどが特色で、品揃えがいまいち、店が狭いなどが不満です。
これをゴーストにも適用し「最寄りの食料品店」の設定を新たに作り、その話をさせることが出来ます。
ここでは王道ファンタジーの世界観で、設定を作ってみます。
・個人経営の店で、店主が早朝に市場で青果を仕入れて売っているので、品揃えが安定しない
・痛み始めた野菜は買い物のおまけにつけてくれる
・売れていない乾物がもう何ヶ月も置いてある
・店主が豪快な禿頭の筋肉質で、目に傷跡がある
設定は保存して覚えておくと後々活用しやすくなります。
また、この設定自体をそのままランダムトークに出さないでください。それ以上トークが増やせなくなります。
例えば「品揃えが安定しない」の部分は、利用者としての意見を言わせるといくつかのトークになります。
1. 目当ての商品が売っていなかった
風邪っぽいので解熱に効くハーブを買いに行ったが、今日に限ってなかったというトークは、生活感を出せるのでキャラクターを身近に感じられると思います。
2. 売っていなかったので、別のもの代用したが結果的に失敗した
ランプの油が売ってなかったので、食用油を買って使ったら暗くてしょうがなかったというトークは、生活感を出しつつ笑い話として見れるトークになるのでは無いでしょうか。
3. 割り引きで得をした
店として本当は少数買い付けたかったが、まとめ買いをせざるを得ずに割り引きになったという店側の失敗状況を作るのも面白いかもしれません。
店先に野菜が山のように積んであって、普段の半額で購入できたというトークが出来るでしょう。
ただし、キャラクターに少しがめついイメージがつくかもしれません。
現実では、ネット上でときどき話題になる「店員が発注数を1桁間違えたため割り引き」という話が近いでしょうか。
これらの方法は、要は現実での雑談と同じです。
店側の事情など知る由もありませんが、今日に限ってなかったという経験はあるでしょうし、それを誰かに愚痴ったりすることも往々にしてあります。
後々に新たなトークの種にもなりますので、設定そのものを出さず、設定に触れる程度の内容でトークを作っていきます。
同様に他の設定も、利用者の目線でトークにしていくと良いでしょう。
愛用品の話をする
ファンタジーの世界であれば自分の使う武具、現実の世界でも時計や財布など、常に身につける品は誰しも1つくらいはあるでしょう。
それらの入手に至るまでの話や、愛用の理由などはトークに落とし込みやすいです。
できれば特徴的なものだと良いと思います。
愛用の枕であるなど、多少突飛な方がインパクトはあるかもしれません。
王道ファンタジーの世界において、魔法使いのキャラクターとして設定を作ってみます。
・常に指輪をしており、これがないと魔法が使えない
・実は昔に師事していた師匠の形見の品である
・無くさないように寝るときも水浴びするときもつけたまま
これらの設定に関しても、保存した上で、直接ランダムトークで語らせないようにします。
「指輪がないと魔法が使えない」という設定からいくつかトークを考えてみます。
1. 奪われないように注意している
その指輪は右手につけていて、知らない相手と対峙したときは腕を組んだり両手を合わせたりして隠しているなど。
相方からはあからさますぎるとツッコミをいれさせて凹んだりすると綺麗にオチがつくでしょうか。
2. 傷つかないように気を使っている
ずっと身につけているけれど傷がつくのも嫌なので、日常的に指輪をかばうような動作をしている。
これも爪を気にするお洒落さんかとツッコミをいれると綺麗に終わらせられると思います。
食事の席で指の怪我と勘違いされたなどとトークを増やすことも出来そうです。
3. 実はサイズがあってない
古代の指輪なんてマジックアイテムだとすれば、オーダーメイドでないのでぶかぶかだったりするかもしれません。
そのために常に握りこぶしにして落とさないようにしていて、喧嘩っ早い印象を与えてしまうということもありえそうです。
この場合、キャラクターが気弱だったりするとギャップが大きくて面白いかもしれませんね。
現代の日本ではそこまで愛用品を持つ人は多くなく、ほとんどメガネと時計、婚約指輪くらいでしょうか。
自分の感覚をもとにしないと書くのが難しいので、時計やスマホなど、常に身につけているものに近い形状の愛用品をもたせるとトークが書きやすいと思います。
作者が知らないことは書けません。少しアレンジして作者の感覚でトークが作れるようにしておくと後々のランダムトーク追加時にも役立ちます。
スマホを落として画面が割れた経験があるとすれば、かなり膨らませやすいでしょう。
我慢して使った、修理の間手持ち無沙汰だった、予想外の修理代金を取られたなどはゴーストのトークにも転用できる部分です。
ゴーストとして登場しない第三者の話をする
ゴースト上のトークでは、ユーザと登場人物で完結させようとすることが多いと思います。
しかし思い出して欲しいのですが、実際の雑談では大抵、外部の情報のやりとりと相槌が主です。
例えば、その場にいない誰かの話が当てはまるでしょう。
共有の友人から始まり、芸能人やアニメマンガゲームのキャラまで、そこにいないものについて話すことは非常に多いと思います。
また、話題や場所を共有するための話なども多いでしょう。
テレビ番組の話、新しく出来た店の話、この間入った店の話などはよく出る話題だと思います。
そこで、ゴースト内でもそのような架空の第三者を用意します。
場所についてはすでに食料品店を登場させる話で述べましたので、人を登場させることとします。
この時、なるべく奇妙な人物を作ると話としても広げやすくなります。
食料品店の話で述べた店主はこれに合致するでしょう。
「店主が豪快な禿頭の筋肉質で、目に傷跡がある」です。
この風貌は食料品店の経営者としては違和感があります。
このようにわざと違和感のあるキャラクターを配置し、そこに関して伝聞形式で話すようにすると、とりとめない雑談の感じを出しやすくなります。
上記のキャラクターを少し掘り下げて設定を作ってみましょう。
世界は同様に王道ファンタジーとします。
・過去には戦士であったが、目に傷を追って隻眼となり引退した
・性格が陽気で、酒場などでよく絡み酒をしていた
・退職後、溜めていた金で店を開いた
ここからいくつかトークが出来るでしょう。
設定を保存し、設定自体を喋らせないのはこの方法でも変わりません。
1. とりあえず怖がる
あの店は店主が怖いという振りから、人を殺しててもおかしくないのであの店の肉は人肉だ、と冗談を飛ばすことも出来るでしょう。ツッコミは必須です。
2. なぜかよくおまけしてくれる
過去のことから体が資本であると信じており、男にはとにかくたくさん食べるように勧めてくるなど。食べきれずに困っている、などがオチになるでしょうか。
3. 声が大きい
ちょっとした雑談も大きな声でするので、恥ずかしくて困るなどのトークが出来るでしょう。あるいは、うっかり他の人の会話から、プライベートな内容を聞いてしまったという話も考えられます。
利点として、ゴースト自体も「聞いた話、あるいは自分が体験した話」として喋るため、第三者に関する複数のトーク間で矛盾が出ても、噂が間違っていたんだろうということで無理矢理解消出来る点が挙げられます。
その場にいない第三者の噂や冗談を飛ばす雑談は、あくまでノリや勢いでされるものなので、真偽が重視されることはありません。
これまでの設定の複合
これまでに述べてきた、食料品店の設定とその店主の設定、指輪の設定を絡めることでさらにランダムトークを作ることが出来ます。
1. 指輪のサイズがあっていないことを大声で喋られた
お金のやりとりなどで、手を見られてサイズがあっていないことを指摘されるかもしれません。
説明がめんどくさくなるしあまり知られたくないのでごまかしたけど、誰か聞いていなかっただろうか、なんて話に出来そうです。
2. 婚約指輪と勘違いされた
大声で新婚さんかなどと言われれば恥ずかしい思いをすることになるでしょう。
そんな人はいないと否定させた上で、ユーザを見て少し慌てるなどが良いでしょうか。
このように、ユーザとゴーストで完結せず、外側の世界に設定を作ることで、無数のトークを生み出せるようになります。
また生活臭を感じさせることにより、ユーザに対して生きているキャラクターという印象を強く与えることも出来るでしょう。
ランダムトークの文章量
トークを書いてると、長くなりすぎるということも起こりえます。
大方その場合は、説明のしすぎであったり、ネタの詰め込みすぎであったりします。
後者の場合、2つに分割することが出来るでしょう。
例として、現代の世界を舞台として、スーパーを登場させてトークにしたものをあげてみます。
*トークの例
:あそこのスーパー、24時間営業なのはいいけどいまいちだよね。
:何がいまいちなんや。
:弁当や惣菜が少ないからすぐ飽きるし、コンビニ弁当の方がマシってぐらい美味しくない。
:ああ、たまにあるな、やたらと弁当のまずいスーパー。
:帰りに買いたいものがあると仕方なく弁当買うけどさ、スーパーの袋下げてコンビニ行きたくないし。
:自炊したらええやろ。
:私に料理が出来るとでも思う!?
:なんでそこで逆ギレするんや……。
4往復なのでちょっと長いと感じます。さくら側のセリフも長く、さくら側の最初と最後のセリフを見ると全く別の話題になっています。
これはこれで、雑談らしい内容かもしれません。
筆者としては、ゴーストのランダムトークとして見ると、ネタを詰めすぎで長いと感じます。
いくつかに分けて、個々のトークにした方が良いでしょう。
・24時間だけど惣菜の品揃えが悪い
不満を述べたあとで、24時間の店にそこまで求めるなと突っ込むと1トークとしては綺麗でしょうか。
・スーパーの袋下げてコンビニ行きたくない
あるあるネタとして最後は共感の相槌を打たせればいいと思います。
・自炊が出来ないけど、スーパーの弁当はまずい
これも不満を述べさせたあとで、そこまで言うなら自炊始めろとツッコミを入れる形が良いでしょうか。
ランダムトークに何を求めるかは人によりますが、小気味よい日常的な話は概ね好意的に捉えられる傾向にあると思います。
反面、長いトークはマイナスの印象になりやすいと感じます。
おそらくは、作業中であったりする場合、しっかり文脈を追って読む必要のある長いものは敬遠されがちなのかもしれません。
分割が難しい場合は、次のトーク(チェイントーク)として2つにするのも手でしょう。
里々にはShioriの機能として、YAYAと華和梨にはミドルウェアとしてチェイントークの機能が組み込まれています。
ただし、チェイントークを使う際には注意が必要です。
チェイントークは前のトークを前提としたランダムトークです。
したがって、前のトークを見ていなかった場合、意味が分からないということになりがちです。
ゴーストを作業のお供としてデザインしている場合、トークを見落とす可能性も高く、チェイントークは相性が悪いと言えるかもしれません。
また、「1トークの長さの上限」は自分の中である程度決めておくとスムーズです。
指標の例としては、コンビゴーストなら「3往復以下」など、ソロゴーストなら「5行以下」など。
自身で設定した指標を超える場合、綺麗にまとまったトークでないなら分割を考えた方が良いと思います。
(余談)ゴーストを使ってもらいたい場合
更新の頻度は目に留まる機会の頻度に直結します。
ゴーストキャプターさくらは、自分のゴーストを登録することで更新状況を表示してくれる有志によるサービスで、キャラクターを探す際の指標となることも多いです。
また、更新頻度が高いということで、それだけでも活発な更新がされているということであり、ユーザからの評価は高くなります。
継続できるラインを自分で見極めて、「1週間に1度、3つトークを書いて更新する」などのノルマを自分に化すなど、更新作業をタスク化すると良いと思います。
使ってもらうことは考えておらず、自分の作りたいものを作っているという場合は、ペースについて気にする必要はないでしょう。
人気の傾向に近づける、というのも1つの手です。
例えば、イラストであれば男性向けの性的なイラストは注目を集めやすいといえるでしょう。
もちろん嫌いである、苦手であるという方もいますが、全体的に見れば見てもらえる率はとても高くなります。
ゴーストにおいて、それは「ユーザへのデレ」です。
ユーザに対する恋愛感情や好意を発露したランダムトークを持つゴーストが人気を得やすい面があります。
スパイスとして、デレるトークを入れておくと、おおよそ好意的な評価を得ることができます。
里々であれば、トークの開始である「*」に「*【タブ】(累計時)>=5」などと条件をつけたトークを仕込むと「長時間付き合うとたまにデレる」という状況を作り出すことが出来るでしょう。
デレるトークはキャラクターの性格や状況にもよるため例を挙げるのは難しいですが、「いつも付き合ってくれるお礼を言う」「頼りにしていることを告げる」などを、赤面サーフェスを使い、「、」や「……」を多用してどもりながらさせると良いです。
これに関しては、恋人の有無を聞かれて困った、などの話をさせた上で、ユーザに対して露骨にうろたえるなどが作りやすいです。
トークを増やすとなると、単語のお題をもらって書くなども有効ですが、閉じた世界になっている場合は外側に世界を広げることも重要です。
ゴーストの日常の描写範囲を広げることで、単体の設定のみならず、設定を複合させてトークを書くことも出来るため、ネタ切れになりにくくなります。
それでもネタに困った場合、さらに設定を追加していくのも良いでしょう。
近所に住む人や交通手段などは広げやすい話題です。
急に設定を増やすのに違和感があるのなら、ついこの間引っ越してきたなどとすれば、うまくなじませられるでしょう。
ゴーストは基本的に時間経過による変化を加味しない(サザエさん時空)ので、新参は何年経とうと新参として扱っても問題ありません。


