
・はじめに
ゴーストマスカレードというweb企画を年に1回、5年連続で実施しています。
第2回から、4年連続で50作品以上という中規模企画を一人で開催し運営してきました。
比較的数が少ない経験だと思うので、その経験から、web企画を行う上での覚書と心構えをメモとして残します。
ゴーストマスカレードというweb企画を年に1回、5年連続で実施しています。
第2回から、4年連続で50作品以上という中規模企画を一人で開催し運営してきました。
比較的数が少ない経験だと思うので、その経験から、web企画を行う上での覚書と心構えをメモとして残します。
・図太くあること
最初にまず伝えたいのは、とても大変だということ。
人が増えれば増えるほど、特に主催者と繋がりのない参加者が増えるほど、企画は理解されにくくなっていきます。
結果として、ルールに則していない提出作品が増え、主催に対する風当たりも強くなっていきます。
これは小さな身内企画を行った後に遭遇すると相当な精神的ダメージとなることでしょう。
だからまず、企画に必要なのは「精神の図太さ」です。
これは絶対に必要なものです。知らずに開催すると面食らってしまうと思います。
批判されて落ち込んでしまう方にはおすすめできません。
もちろん、企画を応援してくれる方も多くいます。
ただ残念なことに、人間は批判の方を強く受け取ってしまう生態をしています。
10の応援と1の批判に対し、1の批判の方に心を引きずられがちです。
この点も含め、図太くある必要があります。
とは言え、やはり達成感ややりがいなどは非常に大きいです。
上記のマイナスの点を考えても、総合的にプラスだと思えるならやる価値があります。
筆者は、普段は静かな界隈が盛り上がることと、初作成の方や久しぶりに新作を出す方が増えることに大きな喜びを感じており、このために企画を続けています。
・全員の希望は叶えられない
ゴーストマスカレードは、参加者全員が匿名である期間があり、その後に参加者の答え合わせがあるweb企画です。
第2回では、想像以上の作品数(筆者の作品除いて、第1回が23作品だったのに対し58作品)が集まり、匿名期間の延長を考えていました。
期間を2週間のままにするか3週間に延長するかで、外部の意見を募りましたが、綺麗に割れたのを覚えています。
答え合わせは一斉公開を前提としていたため、どこか1日を決めなければなりませんでした。
この例はわかりやすいですが、主催者は大小様々な決定を迫られます。
そして、すべての希望に答えられないがために、主催者の決定に対して不満が噴出します。
メール、DM、匿名メッセージなど、様々な媒体で抗議が届くようになります。
このあたりから精神的にも追い詰められていくことでしょう。
他の方はどうしているのかをwebで探してみると、空中分解した企画の残骸をいくつか見ました。
その多くで、主催者が精神的に追い詰められているような様子が見て取れます。
どんな企画であっても、人が増えるほどに精神的負担は増えていくようです。
これらは主催者が無理にすべての要望に答えようとしたことが原因に見えました。
すべての意見に真摯に向き合い過ぎた結果、心身ともに疲弊してしまうようです。
全員の希望は叶えられないことを前提としましょう。
真面目な人ほど潰れてしまいます。
このような過去の事例も踏まえ、ある程度適当でいられること、最初に書いた図太さが必要になってきます。
筆者は、全員が満足する企画はできないとある程度割り切るようにしていました。
・意見は少数から時間をかけて聞くべき
企画のルールや運営に関しては、時間をかけて少人数とじっくり向き合った方がよいです。
当たり前ですが、SNSなどで多少やりとりがあるくらいの人からの意見は、こちらの思いや理想が十分伝わっていないために芯を外していることが多くなります。
企画を理解してもらうためには、時間をかけてじっくりと話を聞いてもらう他ありません。
ここを理解していないと、意見の間で板挟みになります。
そうして主催者が対人関係で翻弄されるうちに、疲弊し、企画は空中分解することになるでしょう。
後に残るのは不和のみです。
筆者の体感では、数人程度とある程度の時間を設けて話し合うと良いと思います。
主催者と関係のない第三者が見たらどうだろうか、と考えると良いかもしれません。
・少人数でも、偽の合意効果に注意
さて、少人数でみっちり話し合い、最高の企画とルールができました。
これならうまくいく……とは限りません。
おそらく、しっかり話し合える相手というのは、大抵が仲の良い方だと思います。
なぜ仲が良いのかと言えば、考え方や価値観が合うからということが大きいでしょう。
そうすると企画を詰めるときも考え方の偏りが発生します。
話し合いをした全員が良いと思ったことが、外部から見れば悪く見えることがしばしば起こります。
少人数での合意を、他のすべての人も同じであるように感じてしまうことを、偽の合意効果といいます。
企業や団体がとんでもないことをやってのけたと炎上しているのを見た方も多いのではないでしょうか。
これらの炎上に対し、批判側の言いがかりだと思ったことがある方もいると思います。
これは価値観の似通ったメンバーで議論を重ねることで悪い方向に煮詰まってしまうことで起こります。
批判する側も同様で、不快感が増幅した結果結束が強まって攻撃性が増してゆき、それを話題に出す人が増えることで炎上に発展します。
困りました。何をしても地獄が待っています。
・大筋は絶対に変えない
ではどうすればいいのでしょうか。
残念なことに正解がありません。何をしても誰かは不快に感じるでしょう。
主催者が不退転の決意で暗闇を突き進む以外に方法はないです。
筆者の体感としては、企画の骨子を先に決め、これだけは譲らないようにするのが良いと思っています。
相談する場合も、大筋は曲げず、周辺ルールの整備や企画の不明点を聞くなどにします。
あくまで企画の決定のすべては主催者自身にあることを把握し、周知しておきましょう。
主催者を抜きにして諍いが起こると目も当てられません。
・最後は知らんがなの精神
結局のところ、人が増えれば、何をしても、賛同も批判も生まれます。
主催者はすべての決定を背負った上で、批判に対しては知らんがなという気持ちでいる必要があります。
最も恐れるべきことは、賛同する方と批判する方が議論を始めてしまうことです。
これもしばしば事例を見かけます。社会運動や政治運動は対立する支持者同士がよく諍いを起こしています。
企画の骨子は意見を求めず、細かいルールや不明点を聞き出し、企画の批判は参考程度にすること。
これが中規模以上のweb企画の主催者になるための最低限の条件です。
企画の巧拙は批判されがちですが(ゴーストマスカレードでは皆無でした)、全く関係がなさそうに感じます。
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最初にまず伝えたいのは、とても大変だということ。
人が増えれば増えるほど、特に主催者と繋がりのない参加者が増えるほど、企画は理解されにくくなっていきます。
結果として、ルールに則していない提出作品が増え、主催に対する風当たりも強くなっていきます。
これは小さな身内企画を行った後に遭遇すると相当な精神的ダメージとなることでしょう。
だからまず、企画に必要なのは「精神の図太さ」です。
これは絶対に必要なものです。知らずに開催すると面食らってしまうと思います。
批判されて落ち込んでしまう方にはおすすめできません。
もちろん、企画を応援してくれる方も多くいます。
ただ残念なことに、人間は批判の方を強く受け取ってしまう生態をしています。
10の応援と1の批判に対し、1の批判の方に心を引きずられがちです。
この点も含め、図太くある必要があります。
とは言え、やはり達成感ややりがいなどは非常に大きいです。
上記のマイナスの点を考えても、総合的にプラスだと思えるならやる価値があります。
筆者は、普段は静かな界隈が盛り上がることと、初作成の方や久しぶりに新作を出す方が増えることに大きな喜びを感じており、このために企画を続けています。
・全員の希望は叶えられない
ゴーストマスカレードは、参加者全員が匿名である期間があり、その後に参加者の答え合わせがあるweb企画です。
第2回では、想像以上の作品数(筆者の作品除いて、第1回が23作品だったのに対し58作品)が集まり、匿名期間の延長を考えていました。
期間を2週間のままにするか3週間に延長するかで、外部の意見を募りましたが、綺麗に割れたのを覚えています。
答え合わせは一斉公開を前提としていたため、どこか1日を決めなければなりませんでした。
この例はわかりやすいですが、主催者は大小様々な決定を迫られます。
そして、すべての希望に答えられないがために、主催者の決定に対して不満が噴出します。
メール、DM、匿名メッセージなど、様々な媒体で抗議が届くようになります。
このあたりから精神的にも追い詰められていくことでしょう。
他の方はどうしているのかをwebで探してみると、空中分解した企画の残骸をいくつか見ました。
その多くで、主催者が精神的に追い詰められているような様子が見て取れます。
どんな企画であっても、人が増えるほどに精神的負担は増えていくようです。
これらは主催者が無理にすべての要望に答えようとしたことが原因に見えました。
すべての意見に真摯に向き合い過ぎた結果、心身ともに疲弊してしまうようです。
全員の希望は叶えられないことを前提としましょう。
真面目な人ほど潰れてしまいます。
このような過去の事例も踏まえ、ある程度適当でいられること、最初に書いた図太さが必要になってきます。
筆者は、全員が満足する企画はできないとある程度割り切るようにしていました。
・意見は少数から時間をかけて聞くべき
企画のルールや運営に関しては、時間をかけて少人数とじっくり向き合った方がよいです。
当たり前ですが、SNSなどで多少やりとりがあるくらいの人からの意見は、こちらの思いや理想が十分伝わっていないために芯を外していることが多くなります。
企画を理解してもらうためには、時間をかけてじっくりと話を聞いてもらう他ありません。
ここを理解していないと、意見の間で板挟みになります。
そうして主催者が対人関係で翻弄されるうちに、疲弊し、企画は空中分解することになるでしょう。
後に残るのは不和のみです。
筆者の体感では、数人程度とある程度の時間を設けて話し合うと良いと思います。
主催者と関係のない第三者が見たらどうだろうか、と考えると良いかもしれません。
・少人数でも、偽の合意効果に注意
さて、少人数でみっちり話し合い、最高の企画とルールができました。
これならうまくいく……とは限りません。
おそらく、しっかり話し合える相手というのは、大抵が仲の良い方だと思います。
なぜ仲が良いのかと言えば、考え方や価値観が合うからということが大きいでしょう。
そうすると企画を詰めるときも考え方の偏りが発生します。
話し合いをした全員が良いと思ったことが、外部から見れば悪く見えることがしばしば起こります。
少人数での合意を、他のすべての人も同じであるように感じてしまうことを、偽の合意効果といいます。
企業や団体がとんでもないことをやってのけたと炎上しているのを見た方も多いのではないでしょうか。
これらの炎上に対し、批判側の言いがかりだと思ったことがある方もいると思います。
これは価値観の似通ったメンバーで議論を重ねることで悪い方向に煮詰まってしまうことで起こります。
批判する側も同様で、不快感が増幅した結果結束が強まって攻撃性が増してゆき、それを話題に出す人が増えることで炎上に発展します。
困りました。何をしても地獄が待っています。
・大筋は絶対に変えない
ではどうすればいいのでしょうか。
残念なことに正解がありません。何をしても誰かは不快に感じるでしょう。
主催者が不退転の決意で暗闇を突き進む以外に方法はないです。
筆者の体感としては、企画の骨子を先に決め、これだけは譲らないようにするのが良いと思っています。
相談する場合も、大筋は曲げず、周辺ルールの整備や企画の不明点を聞くなどにします。
あくまで企画の決定のすべては主催者自身にあることを把握し、周知しておきましょう。
主催者を抜きにして諍いが起こると目も当てられません。
・最後は知らんがなの精神
結局のところ、人が増えれば、何をしても、賛同も批判も生まれます。
主催者はすべての決定を背負った上で、批判に対しては知らんがなという気持ちでいる必要があります。
最も恐れるべきことは、賛同する方と批判する方が議論を始めてしまうことです。
これもしばしば事例を見かけます。社会運動や政治運動は対立する支持者同士がよく諍いを起こしています。
企画の骨子は意見を求めず、細かいルールや不明点を聞き出し、企画の批判は参考程度にすること。
これが中規模以上のweb企画の主催者になるための最低限の条件です。
企画の巧拙は批判されがちですが(ゴーストマスカレードでは皆無でした)、全く関係がなさそうに感じます。
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